─── ✦ 評 点:95点 ✦ ───
「菊の香や」と立ち上げし句頭、淡き芳香が秋の夜気に溶け入るさま清らかにして幽玄の趣きあり。「寂しき薬師」「月仰ぐ」と続け、ひとり仏に向かい月を仰ぐ情景は、静けさのうちに人の世のはかなさを映す。香と光とが交わり、余白に祈りを残す一句と見ゆ。
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「菊の香や」と立ち上げし句頭、淡き芳香が秋の夜気に溶け入るさま清らかにして幽玄の趣きあり。「寂しき薬師」「月仰ぐ」と続け、ひとり仏に向かい月を仰ぐ情景は、静けさのうちに人の世のはかなさを映す。香と光とが交わり、余白に祈りを残す一句と見ゆ。