─── ✦ 評 点:90点 ✦ ───
夏の名残を告げる蝉の声がふと途絶え、その行方を追う心に空の深まりが映る。濃き緑を背に枝先を描けば、声なき空間がかえって音の余韻を宿すごとし。「けんぽなし」の実の黒き艶が、季の終わりを静かにとどめ、時の推移をひとしずくに凝縮する。聴覚と視覚とが交錯し、消えた音がかえって濃密な秋を語る一句なり。
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夏の名残を告げる蝉の声がふと途絶え、その行方を追う心に空の深まりが映る。濃き緑を背に枝先を描けば、声なき空間がかえって音の余韻を宿すごとし。「けんぽなし」の実の黒き艶が、季の終わりを静かにとどめ、時の推移をひとしずくに凝縮する。聴覚と視覚とが交錯し、消えた音がかえって濃密な秋を語る一句なり。