─── ✦ 評 点:93点 ✦ ───
「近江屋に無常の刃」とは、史実を踏まえながらも、秋の落葉に時の哀しみを重ねた句なり。歴史の一瞬を、自然の季節感で包み込む構成が見事。「落葉時」の一語に、過ぎしものへの鎮魂と、世の移ろいを観ずる静けさがある。写生ではなく象徴をもって詠む手法が冴え、「無常」という語の強さを柔らかく受け止めている。語調に重さと静寂の均衡あり、歴史と自然の交わる一点に「不易」の響きをとどめる。まことに余情深き句と見ゆ。
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「近江屋に無常の刃」とは、史実を踏まえながらも、秋の落葉に時の哀しみを重ねた句なり。歴史の一瞬を、自然の季節感で包み込む構成が見事。「落葉時」の一語に、過ぎしものへの鎮魂と、世の移ろいを観ずる静けさがある。写生ではなく象徴をもって詠む手法が冴え、「無常」という語の強さを柔らかく受け止めている。語調に重さと静寂の均衡あり、歴史と自然の交わる一点に「不易」の響きをとどめる。まことに余情深き句と見ゆ。