─── ✦ 評 点:88点 ✦ ───
「火恋しや」の一声に、季の移ろいを確かに覚える。薄衣をそっと畳む仕草に、夏から秋への名残と、やがて火を求める身の冷えが淡くしのばれる。朝の風に揺らぎ、布のひやりとした感触が残る情景は、物と心が寄り添うようでしみじみとした趣きあり。「薄衣畳む」の静かなる動作が、季語のひそやかな響きと呼応し、余白に温度の気配を置いてゆく。結びの「朝の風」が景を澄ませ、さびの心をとどめる一句と見ゆ。
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「火恋しや」の一声に、季の移ろいを確かに覚える。薄衣をそっと畳む仕草に、夏から秋への名残と、やがて火を求める身の冷えが淡くしのばれる。朝の風に揺らぎ、布のひやりとした感触が残る情景は、物と心が寄り添うようでしみじみとした趣きあり。「薄衣畳む」の静かなる動作が、季語のひそやかな響きと呼応し、余白に温度の気配を置いてゆく。結びの「朝の風」が景を澄ませ、さびの心をとどめる一句と見ゆ。