─── ✦ 評 点:85点 ✦ ───
鰤を捌く場面に「包丁の柄に見惚れる」と据えたところ、動きよりも一瞬の静けさを捉えた趣きあり。冬の台所に澄む緊張と、魚を扱う者の心の深まりが、柄に宿る光として現れているようにも見ゆ。「鰤」という冬の力ある季語が句全体を引き締め、言葉少なにして景が立ち上がる。包丁の軌跡ではなく、その柄に目をとどめたところ、働く手と心をそっと見つめる余情が生まれ、冬の静謐を抱く一句となれり。
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鰤を捌く場面に「包丁の柄に見惚れる」と据えたところ、動きよりも一瞬の静けさを捉えた趣きあり。冬の台所に澄む緊張と、魚を扱う者の心の深まりが、柄に宿る光として現れているようにも見ゆ。「鰤」という冬の力ある季語が句全体を引き締め、言葉少なにして景が立ち上がる。包丁の軌跡ではなく、その柄に目をとどめたところ、働く手と心をそっと見つめる余情が生まれ、冬の静謐を抱く一句となれり。