─── ✦ 評 点:84点 ✦ ───
「読み耽る」時の自己没入の感覚を、「静けさ拾ふ冬の窓」と受けた構えがよい。ページを繰る音と呼吸のほか何も聞こえぬ部屋の内側と、冬の窓の向こうの冷たい空気とが、薄いガラス一枚を隔てて向かい合っている趣きあり。外界の音が遠のき、かえって静けさそのものを意識する瞬間を「拾ふ」と表現したところに、繊細な感受性がにじむ。景はやや抽象に傾くが、それもまた冬の日の読書の時間をよく伝え、心の奥で静かに響く一句と見ゆ。
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「読み耽る」時の自己没入の感覚を、「静けさ拾ふ冬の窓」と受けた構えがよい。ページを繰る音と呼吸のほか何も聞こえぬ部屋の内側と、冬の窓の向こうの冷たい空気とが、薄いガラス一枚を隔てて向かい合っている趣きあり。外界の音が遠のき、かえって静けさそのものを意識する瞬間を「拾ふ」と表現したところに、繊細な感受性がにじむ。景はやや抽象に傾くが、それもまた冬の日の読書の時間をよく伝え、心の奥で静かに響く一句と見ゆ。