─── ✦ 評 点:88点 ✦ ───
「冬凪や」と置いたところ、風なき海の張りつめた静けさが先に立つ。その静まった海に、「鳴門の海に渦の道」と続けたことで、表面は鎮まりながらも潮の力が深く息づく様が伝わる。渦の連なりを「道」と見た視線が面白く、海上に引かれた見えぬ線が、船や人を導くかのようにも思われる。冬の海の透明な冷たさ、潮の速さ、鳴門という固有の場の持つ迫力がうまく一句に収まり、観光句にとどまらぬ余情を備えた作と見ゆ。
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「冬凪や」と置いたところ、風なき海の張りつめた静けさが先に立つ。その静まった海に、「鳴門の海に渦の道」と続けたことで、表面は鎮まりながらも潮の力が深く息づく様が伝わる。渦の連なりを「道」と見た視線が面白く、海上に引かれた見えぬ線が、船や人を導くかのようにも思われる。冬の海の透明な冷たさ、潮の速さ、鳴門という固有の場の持つ迫力がうまく一句に収まり、観光句にとどまらぬ余情を備えた作と見ゆ。