─── ✦ 評 点:84点 ✦ ───
「しんしんに」とひらがなで置いた冒頭に、音なき降り積もりの気配がある。続いて「冬霧稀な摩周湖よ」と結んだことで、本来は霧深き湖が、この日は珍しく霧少なく、その静まり返った姿を見せていると読める。冬の透明な空気と、水面の寂寥とが重なり、言葉少なにして遠景を描き出す趣きあり。文法のねじれはわずかに感じられるものの、「稀な摩周湖よ」と呼びかける調子が、旅人の感慨をそのまま伝えているとも取れる。もう一滴、光や色の手がかりを添えれば、句の輪郭はいっそう明らかになろう。
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「しんしんに」とひらがなで置いた冒頭に、音なき降り積もりの気配がある。続いて「冬霧稀な摩周湖よ」と結んだことで、本来は霧深き湖が、この日は珍しく霧少なく、その静まり返った姿を見せていると読める。冬の透明な空気と、水面の寂寥とが重なり、言葉少なにして遠景を描き出す趣きあり。文法のねじれはわずかに感じられるものの、「稀な摩周湖よ」と呼びかける調子が、旅人の感慨をそのまま伝えているとも取れる。もう一滴、光や色の手がかりを添えれば、句の輪郭はいっそう明らかになろう。