─── ✦ 評 点:89点 ✦ ───
釧路湿原の広がりは本来、荒々しい草の線や水脈の光で構成されるが、「冬霧」に包まれるとそれらの輪郭が一度溶け、面としての広さが前に押し出されてくる。「金色に」とした結語は、霧の中からわずかに漏れる朝光、あるいは草が乾ききる直前の淡い金の階調が湿原一帯に行き渡るさまを捉えており、単なる色彩描写ではなく、光が湿原そのものを一枚の金箔のように照らす印象を与える。霧が柔らかく表層を覆い、光がその奥から反射するという二重の効果が生まれ、広大な静けさが画面に漂う一句なり。
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釧路湿原の広がりは本来、荒々しい草の線や水脈の光で構成されるが、「冬霧」に包まれるとそれらの輪郭が一度溶け、面としての広さが前に押し出されてくる。「金色に」とした結語は、霧の中からわずかに漏れる朝光、あるいは草が乾ききる直前の淡い金の階調が湿原一帯に行き渡るさまを捉えており、単なる色彩描写ではなく、光が湿原そのものを一枚の金箔のように照らす印象を与える。霧が柔らかく表層を覆い、光がその奥から反射するという二重の効果が生まれ、広大な静けさが画面に漂う一句なり。