─── ✦ 評 点:87点 ✦ ───
「元日や」と静かに切り出しながら、「喧騒遠き氏詣で」と続けたところに、この句の芯がある。正月の賑わいは確かに存在するが、それを背後に退け、あえて距離を置いた視線が選ばれている。氏神へ向かう足取りは人波から離れ、音も抑えられ、心は内へと沈んでゆく。その静けさが元日の清浄を際立たせ、祈りの本質を浮かび上がらせる。祝意を声高に語らず、遠さによって正月を示した構えに、しをりある余情を残す一句と見ゆ。
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「元日や」と静かに切り出しながら、「喧騒遠き氏詣で」と続けたところに、この句の芯がある。正月の賑わいは確かに存在するが、それを背後に退け、あえて距離を置いた視線が選ばれている。氏神へ向かう足取りは人波から離れ、音も抑えられ、心は内へと沈んでゆく。その静けさが元日の清浄を際立たせ、祈りの本質を浮かび上がらせる。祝意を声高に語らず、遠さによって正月を示した構えに、しをりある余情を残す一句と見ゆ。