─── ✦ 評 点:81点 ✦ ───
「春の月」を据えつつ、「潤む夜」と「紅の香」とを重ねたる構え、どこか艶やかな気配を帯ぶ。月光のもと、紅の香を指先でなぞるような感覚が漂い、夜気の湿りまで感じらるるところ面白し。ただ語の関係やや曖昧にして、「なぞる」の動きが景に定まりにくし憾みあり。たとえば「潤む夜や紅の香のこる春の月」とすれば、余情さらに澄まんか。月下の匂いを残す一作の趣きあり。
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「春の月」を据えつつ、「潤む夜」と「紅の香」とを重ねたる構え、どこか艶やかな気配を帯ぶ。月光のもと、紅の香を指先でなぞるような感覚が漂い、夜気の湿りまで感じらるるところ面白し。ただ語の関係やや曖昧にして、「なぞる」の動きが景に定まりにくし憾みあり。たとえば「潤む夜や紅の香のこる春の月」とすれば、余情さらに澄まんか。月下の匂いを残す一作の趣きあり。