─── ✦ 評 点:83点 ✦ ───
「百年の枝垂れ桜」といふ時間の厚みをまず据ゑ、その重みゆゑに「軒かしぐ」としたる誇張が、樹勢の圧倒と古家の気配とを一つにしてゐる。桜の美のみならず、歳月のたわみまで感じさせるところに趣あり。ただ「軒かしぐ」はやや作意が前に出て、現実の景より印象の操作が先に立つきらひもあり。「百年の枝垂れ桜や軒低し」とすれば落ち着くか。老樹の力を印象深く描かむとしたる一句と見ゆ。
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「百年の枝垂れ桜」といふ時間の厚みをまず据ゑ、その重みゆゑに「軒かしぐ」としたる誇張が、樹勢の圧倒と古家の気配とを一つにしてゐる。桜の美のみならず、歳月のたわみまで感じさせるところに趣あり。ただ「軒かしぐ」はやや作意が前に出て、現実の景より印象の操作が先に立つきらひもあり。「百年の枝垂れ桜や軒低し」とすれば落ち着くか。老樹の力を印象深く描かむとしたる一句と見ゆ。