─── ✦ 評 点:81点 ✦ ───
「菜の花や」と大きく開いたのち、「匂いは未だ西東」と結びたるところ、風に乗る香の偏りを方角にて捉へたる発想に個性あり。「未だ」の語が、春の深まりきらぬ時分を思はせ、菜の花の盛りの前触れを感じさせる。ただ「西東」がやや観念的に響き、即景としてはつかみにくききらひあり。「菜の花や香のまだ寄らぬ東風西風」とするも一法か。匂ひの動きを考へさせる一句なり。
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「菜の花や」と大きく開いたのち、「匂いは未だ西東」と結びたるところ、風に乗る香の偏りを方角にて捉へたる発想に個性あり。「未だ」の語が、春の深まりきらぬ時分を思はせ、菜の花の盛りの前触れを感じさせる。ただ「西東」がやや観念的に響き、即景としてはつかみにくききらひあり。「菜の花や香のまだ寄らぬ東風西風」とするも一法か。匂ひの動きを考へさせる一句なり。