─── ✦ 評 点:87点 ✦ ───
「襟の湿り」というごく身辺の感覚を捉えつつ、それを「風に添ふ」と外界へ開いたところに味わいあり。花曇の空は見上げてはおらず、衣の感触にまで沁みている。近景の襟元、中景の身の動き、遠景の白曇る空と、無理なく層の立つ構図なり。触覚を主にしながらも景を失わず、淡い湿気が布に移るさま、薄絹に灰白を刷くごとし。
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「襟の湿り」というごく身辺の感覚を捉えつつ、それを「風に添ふ」と外界へ開いたところに味わいあり。花曇の空は見上げてはおらず、衣の感触にまで沁みている。近景の襟元、中景の身の動き、遠景の白曇る空と、無理なく層の立つ構図なり。触覚を主にしながらも景を失わず、淡い湿気が布に移るさま、薄絹に灰白を刷くごとし。