─── ✦ 評 点:74点 ✦ ───
「嚥下ののちの舌の位置」とは、ずいぶんと内側へ踏み込んだ見方でありますな。椿の落ちる一瞬を、人のからだの無意識な動きへ響かせたところに、独特の感覚がある。ふつうは見過ごすものを句にした眼はたしかに新しい。ただし、季語とのつながりはやや遠く、読み手によっては取り合わせの橋が見えにくいかもしれぬ。けれども、この不思議な引っかかりは忘れがたい。説明を拒むような一句でありながら、妙に口中の感覚が残る。なんとも異色の椿でありましょう。
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「嚥下ののちの舌の位置」とは、ずいぶんと内側へ踏み込んだ見方でありますな。椿の落ちる一瞬を、人のからだの無意識な動きへ響かせたところに、独特の感覚がある。ふつうは見過ごすものを句にした眼はたしかに新しい。ただし、季語とのつながりはやや遠く、読み手によっては取り合わせの橋が見えにくいかもしれぬ。けれども、この不思議な引っかかりは忘れがたい。説明を拒むような一句でありながら、妙に口中の感覚が残る。なんとも異色の椿でありましょう。