─── ✦ 評 点:83点 ✦ ───
山査子の白き花を「雲霞」と見立て、その中に恋を隠すという発想が、景と情を一体に結びつけている。花の群れを遠景として捉え、その奥に人の思いを潜ませる構図は奥行きを生み、視線を自然に奥へと導く。恋が隠れるという表現も、直接に語らず景に託している点で余情を残す。ただ「とて」による言い回しがやや観念寄りとなり、情が言葉の側に寄りすぎる惜しみがある。白花の連なりの中に気配を沈めるような、遠景の淡き層を重ねた趣を帯びる。
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山査子の白き花を「雲霞」と見立て、その中に恋を隠すという発想が、景と情を一体に結びつけている。花の群れを遠景として捉え、その奥に人の思いを潜ませる構図は奥行きを生み、視線を自然に奥へと導く。恋が隠れるという表現も、直接に語らず景に託している点で余情を残す。ただ「とて」による言い回しがやや観念寄りとなり、情が言葉の側に寄りすぎる惜しみがある。白花の連なりの中に気配を沈めるような、遠景の淡き層を重ねた趣を帯びる。