─── ✦ 評 点:82点 ✦ ───
「初時雨」の語がもつはかなさと移ろいを、その去り際の雫に託した一句と見ゆ。「庭に雫を残しをり」と静かに述べたところがよく、時雨という移動する季節現象を、地上に残された痕跡から逆照射する構図が清々しい。景を描きすぎず、かといって不足もなく、余白に初冬の気がたゆたう。「をり」と結んだ終止はしずかなる時間の伸びを生み、しめやかな風情を伝える佳点である。もし一歩進めるなら、雫の数や光の移りをほのかに添えると、より句に深みが増すが、現行の簡素さもまた芭蕉の好むところの「さび」を帯びている。
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─── ✦ 評 点:82点 ✦ ───
「初時雨」の語がもつはかなさと移ろいを、その去り際の雫に託した一句と見ゆ。「庭に雫を残しをり」と静かに述べたところがよく、時雨という移動する季節現象を、地上に残された痕跡から逆照射する構図が清々しい。景を描きすぎず、かといって不足もなく、余白に初冬の気がたゆたう。「をり」と結んだ終止はしずかなる時間の伸びを生み、しめやかな風情を伝える佳点である。もし一歩進めるなら、雫の数や光の移りをほのかに添えると、より句に深みが増すが、現行の簡素さもまた芭蕉の好むところの「さび」を帯びている。