─── ✦ 評 点:91点 ✦ ───
「鳥去りて」と据えた初句が、空の動きを一挙に奪い、世界を静止させる。その直後に現れる「稜線遠く」は、視線を地へと引き下ろし、山の輪郭を画面の奥へ押しやる構図を成す。「白みけり」の白は雪にあらず、霧でも雲でもなく、光そのものが距離に溶けていく色であり、遠近の果てに静かに滲む。鳥の不在によって強調される空虚が、かえって山の存在感を際立たせ、一幅の水墨画における余白の効きを思わせる。動から静へ、近から遠へと視線を導く運びに、冬景の澄んだ孤独を湛え、余情深く画面をとどむる一句なり。
メールアドレスが公開されることはありません。 ※ が付いている欄は必須項目です
コメント ※
俳号(ペンネーム) ※
メールアドレス ※
Δ
─── ✦ 評 点:91点 ✦ ───
「鳥去りて」と据えた初句が、空の動きを一挙に奪い、世界を静止させる。その直後に現れる「稜線遠く」は、視線を地へと引き下ろし、山の輪郭を画面の奥へ押しやる構図を成す。「白みけり」の白は雪にあらず、霧でも雲でもなく、光そのものが距離に溶けていく色であり、遠近の果てに静かに滲む。鳥の不在によって強調される空虚が、かえって山の存在感を際立たせ、一幅の水墨画における余白の効きを思わせる。動から静へ、近から遠へと視線を導く運びに、冬景の澄んだ孤独を湛え、余情深く画面をとどむる一句なり。