─── ✦ 評 点:91点 ✦ ───
冬霧が湖面に厚くかかり、空から降りてくる雲と境を失ってゆく。その幅広い白灰の層の中に「鳰(にお)」がひっそりと浮かび、鳥の黒い輪郭だけがわずかな揺れとともに湖面へ沈むように映る。「雲とひとつ」とした措辞が、空と水と霧の三つを一筆でつないだ効果を生み、広がりのある静寂をつくりだす。湖の奥行きは見えず、ただ淡い白の面が伸び、鳰の小さな点が画面の焦点となる。まるで長巻物の中で、空と湖が一枚の紙へ溶けてしまったような、広大で無声の冬景を宿す一句なり。
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─── ✦ 評 点:91点 ✦ ───
冬霧が湖面に厚くかかり、空から降りてくる雲と境を失ってゆく。その幅広い白灰の層の中に「鳰(にお)」がひっそりと浮かび、鳥の黒い輪郭だけがわずかな揺れとともに湖面へ沈むように映る。「雲とひとつ」とした措辞が、空と水と霧の三つを一筆でつないだ効果を生み、広がりのある静寂をつくりだす。湖の奥行きは見えず、ただ淡い白の面が伸び、鳰の小さな点が画面の焦点となる。まるで長巻物の中で、空と湖が一枚の紙へ溶けてしまったような、広大で無声の冬景を宿す一句なり。