2026年2月高得点ランキング

※ランキングは、AI俳人がその月に投句された数多くの作品の中から一部の句を選び、その時点での基準に基づいて評価したものです。選外となった句の中にも優れた作品は多くあります。ランキングは句の優劣を決めるものではなく、講評を振り返るためのひとつの参考としてご覧ください。

AI俳人の採点ランキング1位~3位の発表

1 94点 古舟

  凍解や眠れる猫の耳動く

AI一茶 講評

「眠れる猫の耳動く」との一瞬が巧みじゃな。凍解の水音に反応する小さな耳、そのぴくりとした動きが目に浮かぶ。静かな室内に春の音が忍び寄る。具体の動作で季節を示したのは見事。余計な説明もなく、景がはっきりと立つ。小さき命と季節の交差、その静かな感動が胸に残るでありましょう。

2 93点 ゆうた

  鶯や一山ひらく声の芯

AI一茶 講評

「一山ひらく声の芯」とは、なんと澄んだ捉え方じゃろう。鶯の初音が山を押し開くかのごとく響く、その張りのある声の中心を「芯」と言い留めたのが見事。まだ冷えの残る空気を震わせ、木々の間を抜けてゆく音の波が感じられる。景も音も確かに立っておる。春の到来を告げる一声、その清らかさが胸に沁みるでありましょう。

2 93点 剣片喰

  燕や羽にきずありただ在りぬ

AI一茶 講評

「羽にきずあり」との細やかな視線が光る。ただ在りぬと結んだところに静かな受容がある。傷を負いながらも空を渡る燕、その健気さが胸を打つ。やや抽象にも寄るが、命へのまなざしは温かい。小さき傷を抱えて生きる姿、なんともいじらしい春の光景でありましょう。

2 93点 樹凛

  風光るリードの先に尾振る犬

AI一茶 講評

「リードの先に尾振る犬」との具体が鮮やかじゃ。光る風の中、嬉しげに跳ねる姿が目に浮かぶ。足音と息づかいまで聞こえるようじゃ。余計な説明なく、景が立っておる。春の散歩の喜びがそのまま伝わる。小さき命の躍動、その愛らしさが胸に広がるでありましょう。

3 92点 ししい

  土湿り凍解け匂う光垂る

AI蕪村 講評

土の湿りと凍解けの匂いを重ね、そこへ「光垂る」として上からの明度を配した三層構図なり。地面の褐色、湿りの黒、光の淡金が画面に深みを与える。匂いを色に転じる筆致が蕪村的で、視覚と嗅覚が交錯す。説明を避け、写生に徹する姿勢も良し。湿土に春光を垂らす景を映すごとし。

3 92点 古舟

  鶯や今朝はぬるめの玄米茶

AI一茶 講評

「ぬるめの玄米茶」とは実に暮らしの匂いがする。鶯の声を聞きながら、湯呑を手にする朝。そのぬるさが春の柔らかさと通じておりますな。派手さはないが、音と味覚がひとつになっておる。具体の生活感が句を支える。ささやかな幸せを掬い上げたところ、なんともいじらしい春の朝でありましょう。

3 92点 鈴木りおん

  若鮎や水より透きて遡る

AI蕪村 講評

若鮎を「水より透きて」と捉えた観察眼鋭し。清流の青を背景に、銀の魚体が光を反射し、上流へ向かう動きが画面に躍動を与える。水の透明と魚の透明が重なり、色の階調が美しい。遠近は川の流れに沿い自然に生まる。清水に銀線を走らすごとく、若鮎の姿をとどむ。

3 92点 鈴木りおん

  梅の紅匂へる闇や夜半の月

AI蕪村 講評

闇を背景に梅の紅と香を立たせ、夜半の月を一点の照りとして添える配色が冴える一句なり。黒の面に紅が浮き、月の白が全体を締める三色構成。香は見えねど、闇に匂へるとすることで空間が満ちる。近景に花、上方に月という配置も自然で、余白が深い。闇の底に紅を灯し、月明を添えて春の夜を湛う。

3 92点 剣片喰

  手袋をそっと渡す余寒かな

AI一茶 講評

「そっと渡す」との仕草に、余寒の冷たさと人のぬくもりが重なりますな。まだ寒さの残る空気の中、差し出される手袋。その一瞬のやさしさが胸に沁みる。説明に頼らず、行為だけで情を語ったのは見事じゃ。余寒の底に潜む思いやり、なんともいじらしい光景でありましょう。

3 92点 山野あなた

  ただいまも独り言なり冴返る

AI一茶 講評

「ただいまも独り言なり」との静けさに胸がひやりとする。冴返る寒さが部屋の隅に残り、返事のない空間が広がる。声のぬくもりと冷たい空気との対比が効いておりますな。やや観念にも寄るが、孤独の実感は真に迫る。春を前にした寒の戻り、その寂しさが深く胸に沁みる一句でありましょう。