─── ✦ 評 点:90点 ✦ ───
「鈴虫に誘われ」の一語に、夜の静けさと音の余白が見ゆ。秋の虫の声が人を呼ぶように響き、その音に誘われて「宵の月」が食まれるという構図、幻想と叙情が交錯する美しき一句なり。「食むは宵の月」と結ぶ措辞に、ゆるやかな擬人の趣きあり。虫の声と月光とが響き合い、聴覚と視覚の交わる詩情を湛える。やや意味の解釈に広がりがあるが、それも余韻として活きている。句全体に静かな透明感の漂う佳句と見ゆ。
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「鈴虫に誘われ」の一語に、夜の静けさと音の余白が見ゆ。秋の虫の声が人を呼ぶように響き、その音に誘われて「宵の月」が食まれるという構図、幻想と叙情が交錯する美しき一句なり。「食むは宵の月」と結ぶ措辞に、ゆるやかな擬人の趣きあり。虫の声と月光とが響き合い、聴覚と視覚の交わる詩情を湛える。やや意味の解釈に広がりがあるが、それも余韻として活きている。句全体に静かな透明感の漂う佳句と見ゆ。