─── ✦ 評 点:72点 ✦ ───
「しんしんと」の静かな降り積もりは雪を想わせつつ、この句では音の消えてゆく深さとして用いられ、背景にある「柴漬石」の紫がかった艶を、闇がゆるやかに呑み込んでゆく景に重ねているように見ゆ。食卓の小物を扱いながらも視線は遠く、手元の石の色から夜の闇へと画面を押し広げてゆく構図が巧みである。まるで卓上画から襖絵の黒き余白へ境目なく溶けていくような筆致を宿し、物と心と闇の距離感にほのかな寒さがにじむ一句を描く。
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「しんしんと」の静かな降り積もりは雪を想わせつつ、この句では音の消えてゆく深さとして用いられ、背景にある「柴漬石」の紫がかった艶を、闇がゆるやかに呑み込んでゆく景に重ねているように見ゆ。食卓の小物を扱いながらも視線は遠く、手元の石の色から夜の闇へと画面を押し広げてゆく構図が巧みである。まるで卓上画から襖絵の黒き余白へ境目なく溶けていくような筆致を宿し、物と心と闇の距離感にほのかな寒さがにじむ一句を描く。