─── ✦ 評 点:87点 ✦ ───
「手袋の温み」と触覚を句の芯に据え、その温度が「そっと包まるる」と静かに閉じられる運びが穏やかである。寒気そのものは描かれず、逆に包まれる感覚だけが示されることで、外の冷えは余白として画面の外に退く。掌の内側に集められた温もりは淡く、決して強くはないが、その弱さこそが冬の実感を深める。視覚を抑え、触覚だけで一幅を成す構図は、色を用いぬ素描のようで、柔らかな線が紙に残る。人と冬との距離が一瞬縮まる、その静かな和解をとどめた一句なり。
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─── ✦ 評 点:87点 ✦ ───
「手袋の温み」と触覚を句の芯に据え、その温度が「そっと包まるる」と静かに閉じられる運びが穏やかである。寒気そのものは描かれず、逆に包まれる感覚だけが示されることで、外の冷えは余白として画面の外に退く。掌の内側に集められた温もりは淡く、決して強くはないが、その弱さこそが冬の実感を深める。視覚を抑え、触覚だけで一幅を成す構図は、色を用いぬ素描のようで、柔らかな線が紙に残る。人と冬との距離が一瞬縮まる、その静かな和解をとどめた一句なり。